美しいお手紙

 吉沢久子さんと清川妙さんの書簡集。個人的なお手紙の往復を本にしたものです。この本が出されたのは2006年なのでお二人は80代後半ぐらいの年齢でしょうか。手紙自体は2006年以前に書かれたものですが。

 お二人の著書をそれぞれ読んでみて、この書簡集を読んでみたいな、と思ったのですが、不特定多数にむけるエッセイと違って、読むであろう方の顔を浮かべて書いている文章が、すごく新鮮ですね。お互いが思いやる文章がとても気配りが細やかで、その表現も素晴らしいなあと、感心しました。このようなお手紙のやり取りができる相手がいるということは本当に羨ましい。

 また、手紙というタイムラグが発生する手段がいいのかもしれません。空気感がのんびりしているというか。

 清川さん、カルチャーセンターでエッセイ講座の講師をされていて、やはり文章が女性らしく上品でたおやか。

 この本の吉沢さんあてのお手紙の中で、清川さんがフェリシモという通販会社の、心を結ぶお手紙講座の生徒さんのお手紙を紹介してくださいました。” ”でくくってある文が生徒さんのお手紙です。

(以下引用)
”あじさいが雨に打たれていっそう色あざやかに咲いています。心も落ち着く季節になりました。”書き出しもプラス思考。
”ユニクロの甘い感じの白いフワフワしたブラウスを、毎日よく働いているのだから、とさっと買った話、そのつつみをかかえて、ワクワク気分で帰宅すると、玄関前に置いてあったのは、友人が届けてくれた家庭菜園の玉ねぎとチシャ(レタス)。”

”清川色にそまっているので、思わず「うれしきこと二つ」と思いました。その弾んだ気持ちのまま、ポストをのぞいたら、上品な甘い色合いのポストカードが見え、すぐ「清川先生!!」とひらめき、「うれしきこと三つ」と口からこぼれました。”

なんと清川色にそまっていることでしょう。この方もまた、”心の親戚”の一人ですね。(引用終わり)

清川さんのお手紙、書き出しと〆の、挨拶の季節の移ろいの描写が、美しいです。

(以下引用)

 朝の目覚めに、二階の寝室の窓を開けると、目の前の椿の木々の枝々が、時ならぬ春の雪をかぶっていました。雪の下からのぞくたくさんのいちずな紅色。なんだか元気をもらったような気がして、少し怠けていたお返事を書きはじめました。

 おすこやかに、夏の名残の日々をお過ごしくださいませ。(引用終わり)

 コロナで世間が不穏な空気になってきたからでしょうか。なんか無性に手紙に惹かれます。誰かに手紙を書いてみようかな。いや、その前にブログをもっと書かなきゃ(汗)

過去記事ですが、エッセイを書くコツ (清川妙)
https://nanten505.at.webry.info/201809/article_4.html

下の写真は表紙が同じだったのですが、本ではなく、オーディオブックのAmazonのリンクでした。

生き方の知恵 - 吉沢 久子, 清川 妙, 中村 久美, 中島 ゆかり, オトバンク
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