自殺多発地帯の地理的特性の影響

 我慢強く、感情や欲望を抑えられる強い意志を持つを持つ人々が、私的な問題で「助けてくれ」となかなか言い出せない。このような人々の気質を、自殺多発地帯の気候、風土が育む。言われれば簡単に納得できますが、統計をとって立証した着眼点が素晴らしいです。

「生き心地のよい町」、自殺予防因子がコミュニティと住民気質に鍵があると直感した著者の、4年間にわたる現地調査とアンケートなどのデータ解析、町の精神科医の見解などをレポートしたこの本は、非常に示唆(しさ)に富み、得るものが大きい本でした。(以下引用ですが、難しい言い回しを当方で平易に言い換えた箇所がいくつかあります。)

 自殺多発地帯の地理的要因として、筆者は、標高が高く傾斜の強い山間部で、人口の少ない過疎地をあげています。病院や社会資源インフラへ遠い事、雪深い地域。足腰が弱ったり、運動ができない人は、屋内にいる時間が長くなり、運動不足になり、鬱の発生のリスクが高まります。

 厳しい自然環境が住民の生活活動に支障をきたし、孤立が強められ、忍耐心が植え付けられ、鬱が生じる。隣人に迷惑をかけることを極力避けようとし、我慢強く己の感情を他人にぶつけたりしない、これらは尊ばれる気質の美徳であることは否定できない。しかし、自殺対策という枠組みのなかで考えると、これらの美点が大きなリスクとなりえてしまう。(引用終わり)

 そもそも、誰かに助けを求めるという行為は無防備で危険な行為。偏見の目で見られて屈辱的な扱いを受けたり、コミニュティから排除され、孤立する可能性があること。助けを求められる環境を整備する難しさがあるのですね。

この本の私の最初の紹介です。

地球で学ぶ、魂の共通課題
https://nanten505.at.webry.info/202106/article_6.html


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